キャラクターコスプレイベントも屋外撮影、スタジオシェア、コスプレウォークなどなど多様化して、単に同じ趣味の仲間との集いという領域から広がっているご時世。
昔であれば、いわゆる自主制作の本(同人誌)展示即売会の延長線上でのコスプレ参加がメインだっただけに、その変わり様には驚くばかりです。(註1)
20年前はペラペラの布・薄化粧・地毛でも、キャラへの愛があれば許された時代から、てっぺんからつま先まで完璧を求められるのが今のコスプレです。
これが、大きいサイズの幅狭さんのレイヤーである私には頭の痛い問題です。
単に撮影だけならともかく、世界最大の自主制作の同人誌即売会(註2)やコスプレサミットにおけるパレードなど、長時間歩く必要があるイベントが問題になってくるのです。
たいていの幅狭さんの場合、日ごろから履ける靴が少なく、ことさらパンプス・ヒール・ミュールなどがきちんと履くことが出来ません。
日本では幅狭靴がほとんどないため、仕方なくブカブカの靴で妥協せざるを得ないのが現状です。
当然のことながら、靴擦れ・タコ・マメはお友達で、階段を下りるのは怖いなんてことも生じます。
最悪、階段から転倒なんていうことも・・・十分ありえます。
実は、私がやりたいと思っても出来ないコスプレの最終基準はここが壁になっています。
世界最大の自主制作の同人誌即売会でコスプレをしたとき、ローヒールの紐の革靴で長時間歩いたら、かかとや小指が水ぶくれが出来て痛い思いをしたことは2度3度じゃないです。
ひどい時には歩くのが地獄で、車椅子が欲しいと考えたこともあります。
それこそ、市販のパンプスを履いてしかもコスプレ姿で広い会場を歩いていたと思うと・・・ぞっとするレベルです。
もしかしたら、階段から転んで衣装や小道具が台無しになってしまうかも知れない。
理論上、見た目クオリティを重視すると、確実に安全と足の健康を犠牲にしなければならないことになってしまうわけです。
それ以外にも私の場合、コスプレイヤーとしての致命的な問題として、視力が弱く、コンタクトレンズが全く使えないという事情もあります。
(カラーコンタクトなんていうのは言語道断。レーシックも角膜に負担がかかるのでNG。)
結局のところ、視力が弱いことからくる遠近感のなさもあいまって、元ネタのキャラのイメージとは程遠い「足元がフラフラくん」なレイヤーの出来上がりです。
靴のサイズが合わなきゃ中敷入れたらいいじゃない
なんてもんじゃないです。
ある程度サイズの合った靴じゃないと、中敷の効果が出ません。
中敷も自分の足を知っていることが、大前提。
素人感覚で中敷を入れると幅狭の場合、地獄を見ます。
そういった事情で、ほとんど女装についてはほぼ全滅(特にパンプスキャラ、女学生はまずアウト)、出来たとしてもブーツやスニーカーで妥協できるキャラに限られてしまいます。
足を長く見せてくれる厚底やヒール靴(註3)は、長時間歩くことを想定すると、本当に夢以前に危険が伴います。
それどころか、市販の通学用ローファーをさえ、神職の浅沓を履いてるようなもので、これではアクション要素どころか、歩いたら靴がすっぽ抜けます。
かといって、キャラに合わないスニーカーで妥協するわけにもいかない・・・。
ただでさえ、足長が大きいのでその時点で地元の靴屋へ行ってもスニーカーが買えないのです。
大きいサイズの靴を謳っているお店へ行っても、幅広甲高サイズしかないからまず無理・・・。
当然市販のブーツも探すのが難しいです。
身長が足りないから、厚底で必死になって盛っても届かない方がいる反面、あえてイメージ重視で靴を選ぶ方もいます。
イメージで選べて歩きやすければ一番理想的。
でも・・・規格外の幅狭だから、厚底で盛れば前すべり&足が泳ぎ、かといってイメージに合う靴はなかなか見つからない。
ブーツカバーを活用以前に、ベースになる靴さえも見つからない・・・・。
幅狭足のレイヤーの足元問題は、八方ふさがりです。
余談になるのですが、コスプレ雑誌のモデルレイヤーの足元を見ていると、明らかに幅狭さんっぽい感じの方がちらほら・・・。
もちろん、中には本当に小さいサイズの幅広さんもいるので一概に言えませんが。(註4)
見た目重視も大切ですが、やっぱし足の健康を害さないことも大切ではないでしょうか?
レイヤーだからこそ、見た目を大切にしつつ動きやすいことも重要だと思うんですよ。
(註1)20~30年前は他ジャンルでの交流・集合撮影だけではなく、はないちもんめをやっていた時代があった。
(註2)盆前後と年末に東京ビッグサイトで3が日行われるイベント。
しかし、会場が広大な上、甚大な混雑もあるため、興味本位で参加するのはお勧めしない。
(註3)人によってはむしろヒールが高めの方が疲れにくい場合もある。
もちろん、靴のサイズが合っていることが条件であることはいうまでもない。
(註4)こういった場合、本来なら履くべきサイズでは「足が入らない」ため、足囲にあわせて大きいサイズの靴で妥協をせざるを得ない。
この場合も、本来の足長に比べて丈が長い為に、幅狭と同様に前すべり・かかと抜けが生じてしまう。
ちなみに幅狭の場合、本来の履くべきサイズよりも小さいサイズにでも入ってしまうので注意。
(にもかかわらず、かかとがブカブカなケースもある)
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